謎の芽胞菌の出現がありました。
以前から芽胞菌というのがあってそれは正常でも存在するが、数が多いと注意しましょうというのがありました。でその時の薬にメトロニダゾールというこれもその昔から謎めいた抗生剤があります。今回、血便がなかなか改善しない症例で1例は大量に芽胞菌が出ていて、1例は全く出ていない子で、この薬で改善した例がありました。一応、人間では性病に投与するようなこの薬が犬では、出血性の下痢に非常に効果があるようです。検査センターに問い合わせてみましたが、正常な便でもかなり高率で検出されるようです。ちなみにその芽胞を作る菌の名前はクロストリジオイデス、ディフィシルA&B毒素といいます。無症状から致死的な出血性下痢症候群まで症状は様々らしいです。今回の2例も高齢犬で1例は肝臓に腫瘍がある犬でした。自宅で下痢すると後の管理が大変です。何とか下痢が止まってほっと一安心でした。
獣医師日誌 2024年3月12日