最近、興味を持つているのはワンちゃんの長く経過した糖尿病で、腎臓病が起こりつつあるのではないかという事です。初診時に血液検査や尿検査で糖尿病を診断するのですが、数年たつと徐々に腎臓の機能が落ちてきます。やがて尿に蛋白が混じるようになり血液検査や尿比重に異常が出てきます。人間では大変多いそうですが、動物でも近年、寿命が延びるにしたがって同じような現象が起きているようです。犬の1年はヒトの5年に相当しますので、病気が数年にわたり経過した場合は新しいインスリンを使って血糖値を低めにコントロールしたり血圧の薬を飲んでもらって腎臓を守ることが大切なようです。尿検査ならワンちゃんに痛みがないのでオーナー様も協力してくれます。この本は医療スタッフ向けですが、とても分かり易く参考にしています。
谷 憲一郎(院 長) 2013年2月2日