ミニチュアダックスのアキちゃん(仮名)は食いしん坊で食べ初めにガツガツと一気に食べてしまう癖があります。昨日から急に元気がないとの事で来院されました。当院の田端獣医が診察しましたが、触診で首に痛みがあることがわかり、胸のレントゲンを撮ってみましたら鳥の骨らしいものが見つかりました。早速、内視鏡で除去を試みましたが、骨はV字型でガッチリと食道に食い込んで鉗子でつかめるものの全く動かずの状態でした。急遽、2次診療施設に依頼し腹腔鏡の鉗子で粉砕し除去して戴きました。ただ当院に帰ってからも数日間、発熱がひかず血液検査の炎症マーカーは高値が続きました。6日目にやっと食欲が戻り元気になりました。食道内異物は穿孔すると胸に空気が漏れて一瞬で呼吸停止することがあります。あらためて骨の怖さを思い知りました。
谷 憲一郎(院 長) 2016年1月30日