京都の紹介本はいろいろ読み漁りましたが、この本は実に内容が多岐にわたり難解な人生の話から喫茶店のカツサンドやラーメンの話まであれこれと話が跳びまくります。実にオモロイ本でした。著者は京都大学文学部哲学科卒の高名な哲学者で大阪大学の総長までなった方ですが、大体今までの自分の人生でそんな凄い人にかすったこともないので、どんな風に地元を紹介されるのか楽しみでした。一言でいうと時には学者であり時にはオバちゃんでもあったということです。(失礼しました。)地元の店や人を愛しているなあ、京都が好きなんやなあというのが残りました。『俺は、まだまだ京都について書きたいんやー』感が溢れています。写真もいい味だしています。
『京都の平熱』 哲学者の都市案内 鷲田清一 著 写真 鈴木理策
講談社学術文庫 960円
谷 憲一郎(院 長) 2017年2月20日