心臓の神経支配には交感神経と副交感神経がありますが、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンが最近注目を浴びています。以前から抗酸化剤が何となく心臓にいい効果がある話を聞いていましたが、心筋細胞には自らアセチルコリンを作り出す作用があることがわかってきました。抗アルツハイマー薬のドネペジルにはアセチルコリンを分解阻害する作用がありヒトの心筋梗塞と心血管疾患の症状を抑制し予防する作用があるそうです。本書の最後には心臓を介して中枢神経にも作用が働くとあります。これは無茶苦茶スゴイ発見ではないでしょうか?著者は最初に迷走神経の迷走という名称や副交感神経の副の字がアホやねんと述べておられます。僕もウスウスですが変な名前やなあと感じてました。年末から何度も読み返しましたが、グイグイと引き込まれていきます。これは凄い本です。
谷 憲一郎(院 長) 2019年1月18日