先日イヌでは非常に珍しい拡張型心筋症のワンちゃんが来院しました。
昨日から何となく元気がないとのお話で来られました。大きな子ですので立ったままで腹部エコー検査と胸部エコー検査を実施しました。腹水はすぐに確認できたのですが、そのままエコーのプローブを胸部にスライドさせたのですが、左心室右心室左房右房とも著しく拡張し左室内径短縮率は15%まで低下していました。(正常犬は35~45%)
実は数日前に他の事で来院されていましたが、その時には元気食欲ともに良好ということで気にも留めずに見逃しておりました。心電図検査では心室頻拍があり心拍数も1分間に200前後まで上昇しておりました。(正常犬は142前後です。)
めったにない症例なので私の心臓もドキドキでしたが何とか内服薬で少し元気になりました。あらためて身体検査の重要性を感じました。長く診療していますがいろんなワンちゃんが来られます。初心忘れるべからずでした。
谷 憲一郎(院 長) 2019年4月1日